個人的な大豆ブームだけど、大豆イソフラボンの摂取は大丈夫?
ここ一週間ほど大豆にこっていて、朝食、夕食と日に二回は食しています。なんか大豆って健康に良さそうじゃん、っていう栄養学を学ぶものにあるまじき民間信仰からなんですけど、しかし大豆といえば大豆イソフラボンです。きな粉ブームの際にはちょっとばかり話題になったと思いますが、イソフラボンには過剰症があるので注意が必要です。
食品安全委員会は大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限を70‐75mg/日、特定保健用食品として摂取する場合の安全な一日上乗せ摂取量の上限をアグリコン換算(糖が外れた構造に換算)で30mg/日に設定した(食品安全委員会)。
「健康食品」の安全性・有効性情報 イソフラボン
もちろん、同ページに「適切に摂取する条件ではおそらく安全と思われる」とありますし、普通に食品から摂取してそれほど多くの量を摂るとは思えませんから、朝夕二回の大豆摂取でイソフラボン過剰になるとは思いません。思いませんが、では実際のところどの程度摂取しているのか、少しばかり興味もあります。
イソフラボンとは
大豆、レッドクローバー、クズ、カンゾウなどのマメ科の植物に多く含まれているフラボノイドの一種で、(中略)ゲニステイン、ダイゼイン、ビオカニンA、フォルモネチン、グリシテインなどの種類がある。
(同上)
だそうです。
機能性食品因子データベースに載ってるイソフラボンには「ダイゼイン」と「ゲニステイン」の二種類あって、大豆には「国産 乾燥」「国産 ゆで」「米国産 乾燥」「中国産 乾燥」がありました。ここではそれらの国産と、それから夕食で食べている糸引き納豆について引いてみますが、
ダイゼイン | ゲニステイン | |
---|---|---|
乾燥 | 1533.5 | 2004.8 |
ゆで | 271.5 | 945.0 |
糸引き納豆 | 166.4 | 331.8 |
となっています(単位はppm)。しかしこれは、配糖体としての量でしょう。上限量はアグリコンで示されていますから、アグリコンに換算しなくてはなりません。幸い、「食品中の大豆イソフラボンアグリコン(アグリコン当量)の試験方法」のなかにアグリコンへの換算係数が示されていました。それによると、ダイゼインの換算係数は0.611、ゲニステインは0.625だそうです。したがって、上の表をアグリコン換算してなおかつ100gあたりのmg数に直せば、
ダイゼイン | ゲニステイン | 合計 | |
---|---|---|---|
乾燥 | 93.7 | 125.3 | 219.0 |
ゆで | 16.6 | 59.1 | 75.7 |
糸引き納豆 | 10.2 | 20.7 | 30.9 |
となります*1。
わたくしはこの一週間だいたい大豆水煮*2を30g、納豆を30g食べているので、摂取している大豆イソフラボンはアグリコン換算で、それぞれ22.7mg、9.3mg、合計で32.0mgとなります。
日本人が日常的に食品として摂取している大豆イソフラボンは16〜22mg/日である(後略)
『健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック』(p239)
らしいので、計算が合っているとすれば、平均よりちょっと多めの量を摂取しているということになるでしょう。この食事を続けていくのであれば、健康食品でイソフラボンを摂取するときには気をつけたほうが良さそうです。
*1:この値、農林水産省の「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」で示されている大豆のイソフラボン含量がアグリコン換算で平均140.4mg/100gっていう値、また「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品3品目の食品健康影響評価について」で示されている、納豆と1パック(40〜50g)29.4〜36.8mgっていうのとずいぶん違うんだけど、どうしてだろう? 換算係数の使い方間違ってる?
*2:本当は水煮なのですが、まあ固いことを言わず「ゆで」で見るとして。