つまらない栄養学の大切さ

 ちなみに、これをアップするきっかけとなった高橋先生の講演では、

  • 機能性表示食品の宣伝は問題も多いし、宣伝で思い込むほどの効果はない。だから、(専門家たる栄養士としては)まずは「適切な食事」を示しましょうよ。
  • 適度に動く、寝る、食べるの健康管理。これしかないと腹をくくりましょう。
  • 地味な情報に、多くの人の関心が向かないかなあ。

と語られていました。

 この最後の点は最近僕もものすごく感じています。

 もちろん最新の栄養学的知見は大切です。それによって、今後の栄養学が発展していって、多くの人の健康に資するわけですから。でも、新しい知見は、新しいがゆえに、揺らぎやすいです。その揺らぎが、「栄養学は毎年言っていることが違う」と言われる状況を生んでいると思うのです。

 新しいことは楽しいし、わくわくします。だけど、まだ海のものとも山のものともわからない状態のそれに飛びつくのではなく、しっかり踏み固められた地味な情報、ーーあるいは、「それ、食事摂取基準に書いてありますか?」ーーに踏みとどまる。そのことが、食事法の流行に振り回されることのない、もっとも確実な道なのではないかなあと思います。