ピチャンジャラ族はやっぱり糖なしでもいいかもしれない

 っていうのはなにもピチャンジャラ族が人類とは異なる代謝系を持つ地球外生命体だからではなく、

 ここで、アセトン体が増加する場合を挙げておく。
 1) 脂肪の摂取に対して糖質(蛋白質も含む:蛋白質は糖になりえる)の摂取が少ないとき「糖からオキサロ酢酸が作られる」
(『生化学 (チャート基礎医学シリーズ (7))』p64)

たんぱく質には糖原生アミノ酸っていうのがあるからだ。糖原生アミノ酸とは、アミノ酸のうちピルビン酸かTCAサイクルの中間物質に代謝されるアミノ酸のことだ。ピルビン酸に代謝されるものについてはもちろん、TCAの中間物質に代謝されるものも間接的にオキサロ酢酸を増加させることになる。

 さらに、

ピルビン酸をオキサロ酢酸に転換するピルビン酸カルボキシラーゼはアセチル‐CoAによって活性化される。したがって、アセチル‐CoAがかなりの量存在すれば、クエン酸回路の縮合反応を開始するのに十分な量のオキサロ酢酸が生成するはずである。
(『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』p213)

っていうんだから、脂の乗ったカンガルーを食べた場合には、脂質はβ酸化されてアセチルCoAを増やし、グリシンやらアラニンやら、セリン、トレオニンやらといったアミノ酸からできたピルビン酸をオキサロ酢酸にする反応が促進される。

 狩猟民はそれほど採集民のお世話にならなくても生きていけそうな気がする。