で、どうしたらオキサロ酢酸は少なくなるの?

 飢餓時にアセチルCoAがあってもTCAに入れないというのは、アセチルCoAとオキサロ酢酸でクエン酸になる反応ができない→オキサロ酢酸不足ってことでしょ。

しかし、いくらエネルギー源になるアセチルCo-Aが供給されても、OAAがないためにTCA回路の活性が弱く、エネルギーはそれほど生産されない。となると、血液の中にアセト酢酸やβヒドロキシ酪酸などのケトン体が増加することになる。
(『生化学 (チャート基礎医学シリーズ (7))』p58)

 OAAはオキサロ酢酸のことです。で、そのオキサロ酢酸がどこから来るかといえば、

 OAAはどこから供給されるかというと、糖新生の最初に述べた反応すなわち
   ピルビン酸 + CO2 + ATP → OAA + ADP + HPi
で補給される。
生化学 (チャート基礎医学シリーズ (7))』p58

というように、ピルビン酸からできるらしい。あと他にアミノ酸からもできるみたい

 オキサロ酢酸はピルビン酸とCO2から生成される。さらにアミノ酸から可逆的アミノ基転移によっても生成される。
(『人体の構造と機能〈2〉生化学 (スタンダード栄養・食物シリーズ)』p149)

だけど、ピルビン酸は主に解糖系で作られるわけで、ながらくグルコースをはじめとする糖分を摂取していないとピルビン酸不足で、オキサロ酢酸不足になるわけだ。そう考えると、ピチャンジャラ族をはじめとする世の狩猟民の方々も、採集民のお世話になって糖分を摂ってるんでしょうね。『食と文化の謎 (岩波現代文庫)』『ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』あたりのマーヴィン・ハリスの語りを読んで、勝手にあんまり糖分摂ってなさそうなイメージを持ってたんだけど。