2008-01-01から1年間の記事一覧

ケトン体の「飢餓」

ケトン体の説明として、よく「飢餓状態でエネルギー源として活用される」というのがあるけれども、具体的にいつ頃からケトン体がエネルギー源として利用されるのかこの「飢餓時」という説明からは見えてこなかった。普通に一食抜いたくらいで利用されるのか…

栄養調査によれば、95年に野菜摂取量が急増している

食糧需給票に関してで見たグラフによれば、栄養調査での野菜摂取量は95年に急増しているのがわかる。94年との比較で、35g以上の増加だ。 年毎の増減はあるものだし、全体の流れを見るにはたいしたことじゃないのかもしれない。ただ、突然変化したところがあ…

食料需給表に関して

国内野菜の生産量と1人1日あたりの国内野菜供給量の推移を見るの誤りを訂正しました。 これだけではなんなので、ついでに食料需給表の1人1日あたりの野菜供給量と、栄養調査の1人1日あたりの野菜摂取量とを比較をしてみると、両統計でかなりの差がある…

有機が最良とはいえない。の続きで調べ物でもしましょうか。

どうやら有機が最良とは言えないらしいのだけれど、有機肥料の作物含有成分への影響についてもう少し詳しく調べていたら、有機肥料と化学肥料による野菜成分の違いを調べた研究を見つけた。本当はいろんな人のを読むのがいいんだろうけど、調べやすさで同じ…

「有機が最良だ」をサポートする証拠はない

英語の勉強をかねて、国立健康・栄養研究所の海外最新ニュースから気になった記事を訳してみた。英語の不出来に関しては栄養学のそれを上回ると思うので、正しい内容を知りたい人は原文をあたってください。 しかし「有機野菜はより多くの栄養を含んでいる」…

ゆでて出て行く脂肪酸は――調理後の脂肪酸組成変化についての思いつき

お肉をゆでたり焼いたりすると余分な脂を落とすことができます、というのは結構言われている話だと思うけど、このとき出て行く脂肪酸は不飽和脂肪酸が多いのではないかと、ふと思った。脂肪酸は炭素鎖が長ければ融点が上昇し、二重結合の数が多ければ(不飽…

野菜消費量と価格の関係――消費者物価指数を使って調べてみる

野菜の消費量と価格の関係をもう少し調べてみようと、1991年から2006年までの野菜摂取量と、野菜の消費者物価指数を消費者物価指数で除したものの関係をグラフにしてみた*1。野菜の消費者物価指数をそのまま使わず全体の消費者物価指数で除してみたのは、な…

たぶん一番使う栄養学――風邪をひいたときの食事

ちょっと体調を崩して熱なんか出したりしているから、今の自分にはどんな栄養素が必要なのかを調べてみた。 発熱時の一般的な栄養として、 (1)カロリーと栄養素 発熱のさいには食欲減退、栄養摂取の減少とともに消化・吸収能力も衰え、胃腸障害を起こす。…

コレステロールは過剰な栄養素?

中高年を対象にした「食生活と栄養」の講演で、参加した七十五名に栄養に関する問題を二問出してみた。 (中略) その質問とは―― 一問目、日本人に不足している栄養素は何か。 二問目、日本人に過剰な栄養素は何か、というもの。 (中略) このクイズの正解…

脱共役たんぱく質のお勉強――にんにくを食べると発熱が増える

にんにくを食べると褐色脂肪細胞のミトコンドリア内に脱共役たんぱく質が増えるというのを書いたけど、実のところ脱共役ってなんなのさと思っていた。ハーパーさま(『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』)に聞いてみると、話はミトコンドリア…

バナナが完全食品なんて初めて聞いた

ばななは完全食品と言われるように、栄養価の高く健康に効果的な食品です。 朝バナナダイエットの効果 完全食品ってそれだけで栄養素が充足できる食品って意味だよね? そんなものあるわけないじゃないというのが普通の感覚だと思うんだけど、とりあえずバナ…

若者の野菜摂取量は減少しているのか、増加しているのか。

野菜の食べている量を年代別にグラフにすればわかるように、野菜をたくさん食べているのはおじいちゃんおばあちゃんたちだ。ためしに2006年の年代別野菜摂取量をグラフにすると、このようになる(資料は国民健康栄養調査。以下についても同様に、資料は国民…

2005、2006年の野菜のお値段――野菜摂取量調べ物の追記

2004年は不作による価格の高騰から野菜の消費が落ち込んだとして、じゃあ2004年とほとんど変わらない生産量だった2005、2006年の価格はどうだったんだと比較してみた。(資料は「日本の食料生産量・消費量」) 種類 大根 にんじん 白菜 キャベツ ほうれん草 …

国内野菜の生産量と1人1日あたりの国内野菜供給量の推移を見る――野菜摂取量調べ物の追記

ついでなので、それぞれをグラフにして推移を見てみる。(資料は「日本の食料生産量・消費量」) これを見ると、生産量は80〜85年頃をピークに減少していて、供給量のほうは70年手前をピークに減少していることがわかる。 ちなみに、この供給量データだと200…

2004年は野菜不作だったのか――野菜摂取量調べ物の追記

野菜の摂取量を調べてみたで2004年に野菜摂取量が少なかった原因として、2004年には野菜が不作だったからじゃないかと書いた。でもgoogle先生から教えてもらったひとつのblogだけで判断しちゃいけないだろうということで、農林水産省からふたつのデータをあ…

野菜の摂取量を調べてみた

年々野菜の消費量が減っているとも聞く。 これは味の善し悪しに限らず、日本人の食生活、食べ物の 嗜好が以前と変わってきているのも大きな原因だと思う。ある統計では去年度2007年に国民1人当たり1年で野菜を食べた量は 109kgと言い、10年前の1割減少して…

酵素栄養学というのがあるらしい

朝バナナで酵素のことを調べていたら、酵素栄養学というのを見つけた。やさしいバイオテクノロジーに詳しい。特に「酵素栄養学とは何か」と「通説の分子生物学はどのように説明しているのか」を読めば酵素栄養学がどういったものかはわかると思う。 酵素栄養…

朝バナナ追記

アメリカの栄養士が朝バナナダイエットにコメントしているらしい。 ニューヨーク食育&フード事情(元記事) ところで、このダイエットの理論ですが、バナナに含まれる果物の酵素と食物繊維が消化を早めるために減量にも効果があるということだそうです。 バ…

朝バナナの疑問

よく果物をたくさん食べるというと、果糖で太ることを気にする方がいますが、果糖は代謝があがり、脂肪燃焼の促進に効果的です。 朝バナナダイエットのやり方 「果糖制限食は減量を促進するかもしれない」や「解糖系のお勉強」で見たように、フルクトース(…

一神教から日本の食を考える――@成蹊大学

成蹊大学の公開講座が面白そうだったので行ってみた。しかしこのタイトルはちょっと偽りありだと思う。「一神教から〜」というよりは、イエスがいかに食卓を変えたか、だ。 どうやらユダヤ教は不浄なことを嫌う宗教で*1、そのため食に関しても厳しい規則が決…

食事由来の脂肪と血中コレステロール:代謝観察研究の定量メタ分析

英語の勉強をかねて、国立健康・栄養研究所の海外最新ニュースから気になった記事を訳してまとめてみた。英語の不出来に関しては栄養学のそれを上回ると思うので、正しい内容を知りたい人は原文をあたってください。 コレステロールがmmol/Lとか言われてもピ…

果糖制限食は減量を促進するかもしれない

英語の勉強をかねて、国立健康・栄養研究所の海外最新ニュースから気になった記事を訳してまとめてみた。英語の不出来に関しては栄養学のそれを上回ると思うので、正しい内容を知りたい人は原文をあたってください。 フルクトースの代謝の説明に関しては以前…

遺伝子組み換え植物――@かずさDNA研究所

同じく10/11に行われた一般向けの公開講座をまとめてみた。ざっと聞けてよかったけど、やっぱりまだわからないことが多くて、これは勉強しないとだめだね。 遺伝子組み換えは自然界でも起こっている 多くの生物はほかの生物の遺伝子を取り込んで進化してきた…

アンチエイジング講座――@かずさDNA研究所

10/11に聞きに行った一般向けの公開講座をまとめてみた。商売っ気がありすぎて、白澤卓二の宣伝を聞きに行った気分。 寿命に影響する因子 一卵性双生児と二卵性双生児の研究から、寿命決定における遺伝要因は25%である。75%は遺伝的要因ではない。 食事・…

「食」は病んでいるか

「食」は病んでいるか―揺らぐ生存の条件 (ウェッジ選書―「地球学」シリーズ)作者: 鷲田清一出版社/メーカー: ウェッジ発売日: 2003/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る 立ち読みした記憶からのみなので、この本のすべて…

高血糖からの動脈硬化

昨日メタボリックシンドロームに関する講演を聞いて、イメージできなかった高血糖から動脈硬化になるメカニズムをお勉強。放送大学教材食の科学の立ち読み記憶とネットで調べたことをあわせると、どうもこれはアミノカルボニル反応(メイラード反応)が影響…

意外な、脂肪摂取量

「日本型食生活」をやめようでは脂肪摂取量の下限を見たけど、上限値の設定理由が面白かったので見てみよう。 最近のメタ・アナリシス(n-3系脂肪酸に関する研究は除く)では、総脂質摂取量と総死亡率との関連は認められず、アメリカ女性の大規模コホート研…

「日本型食生活」をやめよう

すでに、コメをめぐる歴史学や民俗学の研究が示すように、この日本列島にはコメを常食としない集団がずっと存在していたし、また日本人が広くコメを食するようになったのは戦時中以降のことであったといわれる。おそらく日本人全体が白米を腹いっぱい食べれ…

食育の気持ち悪さについて――食の共同体

食の共同体―動員から連帯へ作者: 池上甲一,岩崎正弥,原山浩介,藤原辰史出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2008/05メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 78回この商品を含むブログ (9件) を見る たぶん僕は、この本の半分も理解していないんじゃないか…

HDLコレステロールをアップさせる運動

食生活 Vol101によれば、HDLコレステロールをアップさせるには、一回あたりの継続時間が30分以上、一週間に900kcal以上の運動を行うことが必要だそうだ。 これを体重60kgの人が行うとすれば、Exに1.05と体重を乗じたものが消費カロリーだから、 Ex = 900kca…