果糖制限食は減量を促進するかもしれない

 英語の勉強をかねて、国立健康・栄養研究所の海外最新ニュースから気になった記事を訳してまとめてみた。英語の不出来に関しては栄養学のそれを上回ると思うので、正しい内容を知りたい人は原文をあたってください。
 フルクトースの代謝の説明に関しては以前ハーパーさまで見たのと同じ。

 果糖制限食は減量を促進するかもしれない原文

代謝の説明

  • トリグリセリド(中性脂肪)は、そのほとんどが肝臓で合成される。
  • 肝臓は、交差点にいる警官のように、吸収された糖質の使い道を調節している。
  • グルコースがくれば、グリコーゲンとして貯えるか、エネルギーとして燃やすか、それともトリグリセリドとして貯えるかを決める。
  • たくさんのグルコースがくれば、脇におかれてあとにとっておかれる。
  • フルクトースはグルコースと違って、交差点の警官をパスして、代謝経路の下流にどっと押し寄せる。
  • だからフルクトースは、たくさんの脂質合成に寄与することになる。

実験

  • 六人の健康な人を対象に三種類の異なる濃度のジュースを飲ませ、四時間後に通常の昼食を食べさせる実験を行った。
  • 濃度は、グルコース100%のもの(糖尿病の経口糖負荷試験で、医者が患者に与えるものと同じもの*1)、50%グルコース50%フルクトースのもの、25%グルコース75%フルクトースのもの。
  • テストはランダム盲目試験で行った。

結果

  • 50%のグルコースがフルクトースに置き換わっただけで、脂質合成が有意に増加した。
  • 朝食に与えられたフルクトースは、昼食の食事の代謝にも影響をもった。
  • フルクトースを消費したあとでは、肝臓が昼食で摂った脂質を貯蔵に回す量が増えた。

主に、Dr.Parksによる説明。

  • 「糖質は肝臓で分解され、脂質を合成するために取っておかれる。これはフルクトースドリンクを飲んでから四時間以内に起こる。その結果、次の食事をしたとき、脂質は燃やしてエネルギーにされるよりも蓄えに回されることになる」
  • 「この結果は、まだフルクトースの影響をきちんと評価していない。実験に協力した人は健康で、痩せていて、おそらくフルクトースの消費もかなり早い。過体重や肥満の人は、脂質合成のプロセスがすでに活発になっているだろうから、より悪い影響が出るだろう」
  • 「肥満の原因としてフルクトースを悪者にする人はたくさんいる」
  • 「そういう人たちは正しいことを言っていると思うけど、でもそれが唯一の問題ではない。アメリカ人は活動レベルと比べて過剰なカロリーを摂っているし、過剰な脂質を摂っているし、過剰なたんぱく質を摂っている。それから、過剰な糖質も摂っている」
  • 「ダイエットをする人は、果物を減らすべきではない。しかし糖質を多く含む加工食品を制限することは、ダイエットをする助けとなるだろう」

*1:アメリカと日本が同じテストをするならば75gのブドウ糖が入ってるもの。