地産地消って実はとっても厳しいの?

かと疑いたくなる部分が、先日も挙げた引用文にあるのです。

  でも、地元食品を支持する主張 (地産地消)、つまり消費者になるべく近いところで生産された食品を食べようという主張は文句なしなんじゃないの? なるべく食物に移動させず、結果として炭酸ガスも少なくてすむのはまちがいないのでは? 驚くなかれ、これもダメなのだ。イギリスの食料を調査したところ、食料の移動距離のほぼ半分(つまり食料を運ぶ車の移動距離)は、買い物客が商店に行き来するときに生じる。ほとんどの人は、畑よりはスーパーマーケットの近くに住んでいるので、地元食品を重視すると、生産者に直接みんなが買い物にでかけてかえって移動距離は増える。食物を運ぶのに、スーパーマーケット式にぎっしり詰め込んだトラックを使うのが、食物輸送にいちばん効率がよい方式なのだ。

倫理的な食べ物はかえって有害かもしれない

 じつは当時、この意味がよくわかりませんでした。地産地消→みんなが生産者まで買い物に出かける、という図式が、ちょっと大げさに言えば想像を絶していて、イメージできなかったんです。

 今ではイメージは出来たものの、やっぱり地産地消ってそこまでするものなのか疑問があります。たぶん一般的には、スーパーで地場産仕入れて店頭売りして、それで地産地消と言ってるんじゃないでしょうか。これなら買い物客の移動距離は増えないし、たとえばアメリカからトウモロコシを運ぶより、近所の農家を回ってトウモロコシをかき集めたほうが、いくらなんでも移動距離と輸送に伴う環境負荷は少ないでしょう。

 地産地消の教典では、このような甘っちょろい消費活動は、地産地消と認めてもらえないんでしょうか。