マクロビオティックの概念を少し読んでみた

 マクロビオティックでも少し調べてみようかなあと思ったのは、きっと菜食主義だからトリッキーなたんぱく質の摂り方とか、少し変わった野菜の食べ方*1でも教われるだろうと思ったからでした。『食と栄養の文化人類学―ヒトは何故それを食べるか』をぱらぱらめくっていたらたまたまマクロビオティックの欄があったので、ちょっと理念だけでもお先に勉強ましょう。

「マクロビオテクスは、現在かかっているすべての病気のみならず、今後運が悪くてかかるあらゆる病気までも究極まで治療する」*2
(同 p222)

 ものすごい効能を謳っていて、間違いなくこの前見た民間食法なんですが*3、でもいいんです。別にマクロビオティックに帰依してそれで健康になろうというんじゃなくて、少し変わったレシピのひとつでもいただければいいんですから。

マクロビオティックは)陰陽の原理が、玄米とみそ汁を主な食材とする菜食主義スタイルの食事に応用されている。
(同上)

らしく、陰から順に、化学薬品、薬、アルコール、砂糖、乳製品、果物、野菜、穀物、魚、卵、肉と並んでいて、野菜と穀物が陰陽の中心部に位置しているんだそうです。だから体の状態をよく保つには、穀物野菜の割合を増やしましょう、ということらしい。

 でも、

 マクロビオテクス食は番号づけられた一連の献立からなっているが、その仕組みは次第に穀物の割合を増やし、一方では動物性食品、果物、そして野菜を徐々に減らしていくという設計になっている。したがって、最極端の第七水準になると玄米だけの食事になる。
(同 p223)

といいますから、イメージしていたよりもかなりトリッキーです。野菜も減らしていくとなると、変わった野菜のとり方とかを教わるには、あまり適さないかもしれません。

 ちまたにあふれているマクロビオティック本はきっとライトなものが主体でしょうから、ほぼ玄米だけなんていう極端なものは少ないだろうと思います。でも、もしほぼ玄米だけなんて食事をまじめに続けていると、「壊血病、悪性貧血、蛋白欠乏症、カルシウム欠乏症などにかかりついには死に至る」(同上)らしい*4ので、マクロビオティックもほどほどにしておいたほうがよさそうです。

*1:そう変わってない野菜の食べ方もあまり知らないけど。

*2:Ohsawa, G. The book of judgement. Ignoramus Pr., 1966

*3:ほとんど同じ項にあるんだから当たり前といえば当たり前。

*4:「レベル7まで行くと戻れなくなる」(『レベル7(セブン) (新潮文庫)』)と覚えましょう。