中国食品が特別危険というわけではない、の確認

 輸入食品についても、厚生労働省の輸入食品監視統計によればすべての国の食品に1%以下のわずかな違反があり、中国食品の違反がとくに多いわけではない。また違反の程度は規制をわずかに超える程度であり、健康に被害を及ぼすものではない。
(「食生活 vol.103 No.3 食の安全と安心の違いとは?」)

とのこと。せっかくなのでその輸入食品監視統計で確認してみましょう。

国名 検査件数 違反件数
中国 91,934 376 0.41%
タイ 16,507 113 0.68%
ベトナム 14,245 138 0.97%
韓国 8,083 37 0.46%
台湾 7,448 34 0.46%
マレーシア 505 5 0.99%
フィリピン 2,469 25 1.01%
インドネシア 6,055 34 0.56%
インド 1,971 18 0.91%
デンマーク 529 0 0.00%
イギリス 755 0 0.00%
ベルギー 997 18 1.81%
ドイツ 1,032 2 0.19%
スイス 290 0 0.00%
スペイン 1,040 5 0.48%
イタリア 3,533 22 0.62%
ロシア 443 0 0.00%
フランス 5,212 32 0.61%
アメリ 18,929 117 0.62%
カナダ 3,192 5 0.16%
メキシコ 783 4 0.51%
チリ 1,022 4 0.39%
ブラジル 1,751 18 1.03%
オーストリア 1,934 14 0.72%
ニュージーランド 1,317 4 0.30%
全体 198,542 1,150 0.58%

 平成19年度輸入食品監視統計で届け出件数が1万件以上の国についての、検査件数と違反件数です。ただし全体は、届け出件数が1万件未満の国のものもあわせた件数になっています。

 これをみると、全体で違反の割合が0.58%のところ、中国のそれは0.41%ですから、平均よりむしろ違反割合は少ないということになります。「中国食品の違反がとくに多いわけではない」ことが確かに確認されました。

 でも、「すべての国の食品に1%以下のわずかな違反があり」はどうでしょう。上の表で見ても、デンマーク、イギリス、スイス、ロシアには違反がありませんし、輸入届け出件数が2件しかなくて、うち1件の検査結果で違反が見つからなかったアルジェリアとか、違反件数が0の国は結構あります。

 まあそんなことは「中国食品にとくに違反が多いわけではない」という趣旨にたいして影響を及ぼすものではないんですが、ちゃんと調べてみてよかった。きっとしたり顔で引用してたことでしょう。