臨床

ネフローゼ症候群の食事療法についての歴史

先日、久しぶりに開いた臨床栄養学のネフローゼ症候群のページには、このような記述があったのでした。 食事療法の原則はこれまで高タンパク、低塩分とされてきたが、平成9年(1997)の改訂で軽度のタンパク制限、減塩食に変わった。 (『新しい臨床栄養学』…

ミルクアルカリ症候群について

20世紀の初め頃に、 胃潰瘍の治療のために、 牛乳とマグネシウム製剤とを、 一緒に飲むという治療がありました。 マグネシウム製剤には、酸を抑える働きがあります。 牛乳は栄養を付け、粘膜を保護する、という目的ですね。ところが、その治療を受けた人の中…

納豆のプリン体について

先日会った親戚が言うには、納豆はプリン体が多いのだそうです。 わたくしは一応、社会的には栄養学の専門家の一員であるということになっているので、親戚の間でも、このような話題が出たときに顔を見られるくらいの認知のされ方をしています。ですがたいて…

「アルカリ性食品・酸性食品』について その2

さて、先の記事の続きで、高尿酸血症・痛風による尿路結石の予防を見てみましょう。 blogをさかのぼればわかることですが、わたくしは数年前まで管理されるほうの栄養士で、管理するほうの栄養士になるための勉強に励む日々を、多少なりとも送ったのでした。…

かずのこはプリン体含量が少ない食品か?

世の栄養士には二種類あって、すなわちそれは管理する栄養士と管理される栄養士です。わたくしは残念ながら後者ですので、生活時間から給料の使い道といった基本的な事柄から水着の女性に出会ったときの目のやり場といった些細なことまで、管理するほうの栄…

本日のお勉強――乏尿とネフローゼ

[問193] (1)尿量800mL/日は乏尿ではない。 (『クエスチョン・バンク管理栄養士国家試験問題解説 2011』p645) じゃあ乏尿ってなんだっけ? 臨床的に1日100ml以下を無尿 anuria、400ml以下を乏尿 oliguria、 また2,500ml以上を多尿 polyuriaという。 (『…

食事由来の脂肪と血中コレステロール:代謝観察研究の定量メタ分析

英語の勉強をかねて、国立健康・栄養研究所の海外最新ニュースから気になった記事を訳してまとめてみた。英語の不出来に関しては栄養学のそれを上回ると思うので、正しい内容を知りたい人は原文をあたってください。 コレステロールがmmol/Lとか言われてもピ…

高血糖からの動脈硬化

昨日メタボリックシンドロームに関する講演を聞いて、イメージできなかった高血糖から動脈硬化になるメカニズムをお勉強。放送大学教材食の科学の立ち読み記憶とネットで調べたことをあわせると、どうもこれはアミノカルボニル反応(メイラード反応)が影響…